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地震保険に家財補償は必要? その特徴と独自の補償額も確認

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地震大国と言われる日本では、マイホームの地震保険加入は欠かせません。この地震保険は建物だけでなく、家財にも契約することができますが、その補償額は、火災保険とは異なり、実際の損害額の全額を補償するものではありません。そこで、気になる地震保険の家財補償の特徴と、その補償割合の算定について確認してみましょう。大切なマイホームを守るための保険ですので、きちんと理解して加入を検討しましょう。

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コラムサマリ

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  • 地震保険は建物も家財も補償してくれる? 地震保険の仕組みを確認する。
  • 最高でも1,000万円まで。地震保険で設定できる家財の保険金額を確認しよう。
  • 被害によって変わる地震保険の保険金額。「損害の程度」は4つの基準で判定される。

提供:東京海上日動火災保険株式会社
※このコラムは保険の特徴を説明したものです。詳細は各保険会社の商品パンフレット等をご覧ください。
ご契約にあたっては、必ず「重要事項説明書」をよくお読みください。
ご不明な点等がある場合には、保険代理店までお問い合わせください。

本文

地震保険は家財の補償もしてくれる?

国土交通省による「国土交通白書2020」によれば、マグニチュード8~9クラスの地震の30年以内の発生確率は70~80%(2020年1月24日時点)と高確率であることが専門の委員会の調査として報告されています。大規模地震の発生リスクをふまえると、地震保険による備えの必要性は高まっていると言えます。

地震保険は、地震等を原因とする損害を補償する保険です。地震による損壊・埋没・流失といった損害のほか、地震による火災被害も補償されます。言いかえると、火災保険だけでは、地震を原因とした損害は補償されません。

また、地震保険は、単体での加入はできず、火災保険に付帯することで地震保険に加入します。すでに火災保険に加入している場合には、中途付帯も可能です。

地震による被害は、建物の損壊をイメージするかもしれませんが、揺れにより倒れた家具や食器などの家財の損害は、生活再建にむけて「家財」を対象とした補償を備えておきたいものです。火災保険では「建物」と「家財」を分けて契約しますが、それぞれに地震保険を付保することができます。選択肢としては、火災保険「建物・家財」+地震保険「建物のみ」や「建物・家財」+地震保険「家財のみ」といった付保も可能です。

国による再保険だから、巨大地震にも対応できる制度

地震大国と言われる日本では、これまでも多くの地震による被害が報告されてきました。国や関連団体による調査や分析も進み、今後、大規模地震が発生する確率は高まりつつあることは前述のとおりです。

一度大規模な地震が発生すると、広い範囲にわたり被害が発生し損害額も大きくなることが想定されます。状況によっては損害保険会社が存続できないほどの保険金請求にもなりかねません。

こうした背景から、地震保険は、地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的として、保険会社が負う地震保険責任を政府が再保険し、民間の保険会社のみでは対応できないような巨大地震発生時にも再保険の支払いを行うものです。

▽地震保険の概要

地震保険は、地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的として、民間保険会社が負う地震保険責任の一定額以上の巨額な地震損害を政府が再保険することにより成り立っています。
引用:財務省 | 地震保険制度の概要

地震保険で設定できる家財の保険金額

地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30%から50%の範囲内で設定する必要があります。たとえば、火災保険で家財の保険金額を1,000万円とした場合、地震保険の家財の保険金額は、300万円から500万円の範囲で決めます。なお、保険金額には上限があり、最高でも1,000万円までです。

なお、保険会社によっては、1,000万円を超えて補償を必要とするときに、特約に契約することで上乗せ補償できる場合もあります。

都道府県により異なる保険料

加入に際し支払う保険料は、被害の大きさに影響する建物の「構造」と、地域ごとに異なる地震リスクを反映させた都道府県ごとの「基本料率」で決められています。

国が運営に関わる保険制度であるため、どの保険会社で契約しても保険料は変わりません。地震発生リスクや被害額の大きさから、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県など太平洋側で保険料は高く設定され、保険料格差は3倍以上と言われているのが現状です。

地震保険で補償される家財の損害に対する保険金

地震保険は火災保険に付帯させるものですから、家財補償の対象も基本的に火災保険のそれと変わりません。自宅内にある家具や電化製品などのほか食器、衣類やバッグ、靴、スマホやパソコンなど動かせる生活用動産が対象となります。

ただし、貴金属、宝石、書画、骨とう品などは、被災者の生活に安定をもたらすことを目的とした生活再建のための地震保険では、補償されません。

損害の全額は補償されず、損害の程度が判定される

火災保険の補償との大きな違いは、実際の損害額が補償されるわけではないことです。地震保険では、「損害の程度」に応じて、保険金が支払われます。地震等により損害が発生した場合、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4つの基準により「損害の程度」が判定されます。

▽地震保険で支払われる保険金(家財)

損害の程度

家財の損害額(認定の基準)

保険金の支払額

全損

家財の時価の80%以上

地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)

大半損

家財の時価の60%以上80%未満

地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)

小半損

家財の時価の30%以上60%未満

地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度)

一部損

家財の時価の10%以上30%未満

地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度)

保険金は、損害の程度によって変わる

「損害の程度」の判定は、基本的に、保険会社が依頼した鑑定人により行われます。建物の場合は、主要構造部の損害状況、範囲や床面積の割合などから判断しますが、家財の場合は、以下の5つに分類したうえで家財全体の損害割合で認定します。

▽地震保険の家財保険における家財の分類

(1)食器類

(2)電気器具類

(3)家具類

(4)身の回り品その他

(5)寝具・衣類

たとえば、地震保険の家財保険金額が500万円で設定していた場合、地震の被害によって支払われる保険金の額は、以下のように変わります。

▽地震保険の被害による保険金の額の違い:家財保険金額の設定500万円の場合

地震による被害想定される保険金の支払い額
大地震により全壊となった場合保険金額の500万円が全額支払われる
家財全体の10%以上となった場合「一部損」と認定され、25万円(500万円×5%)が保険金として支払われる

損害が10%に満たない場合には、損害の程度の判定により保険金が支払われないことになります。ただし、実際に被害に遭った場合には、自分の判断であきらめたりせず、保険会社へ必ず事故の連絡をするようにしましょう。大規模災害の場合には、簡易的な調査で迅速に保険金が支払われる事例も多くあります。

まとめ

大規模地震の発生リスクの高まりから、地震保険が気になる人は多いです。しかし、保険料負担を考えて躊躇する傾向があるのも地震保険の現状です。ただし、近年の地震発生時の被害状況や保険金支払事例などをふまえると、万一の災害時において、一日も早い生活再建のため加入の必要性を感じるところです。

なお、支払った保険料は、地震保険料控除という所得控除のひとつとなり、税負担を軽減することができます。国が地震災害に対する国民の自助努力による資産の保全と地震保険の普及・促進を図ろうとしていることも知っておきたいことです。

火災保険など損害保険商品の多くは、実際の損害額が支払われる「実損払い」ですが、地震保険は、国が再保険として引き受けていることなどから「損害の程度」が判定されたうえで補償されるなど、異なる点が多くあります。補償の範囲や保険料負担について正しく理解したうえで、加入を検討しましょう。

この記事の執筆協力

執筆者名

大竹麻佐子

執筆者プロフィール

証券会社、銀行、保険会社など金融機関での勤務を経て独立。相談・執筆・講師活動を展開。ひとりでも多くの人に、お金と向き合うことで、より豊かに自分らしく生きてほしい。ファイナンシャルプランナー(CFP©)ほか、相続診断士、整理収納アドバイザーとして、知識だけでない、さまざまな観点からのアドバイスとサポートが好評。2児の母。

募集文書管理番号
0216-29A1-B22211-202303
B23-900996

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